はじめに ― なぜ、100億円への挑戦は「孤独な戦い」であってはならないのか
これまでの3日間、私たちは「覚悟」「投資」「人材」について語ってきました。
しかし、ここで決定的な真実を語らねばなりません。
100億円への航海は、経営者一人の力では完遂できない。
最大5億円の補助金を活用し、最大10億円超の設備投資を実行する。この挑戦を、自社リソースだけで完結させようとすることは無謀です。
だからこそ、中小企業成長加速化補助金は、審査において「実施体制」を重視します。その中核を成すのが、金融機関と認定支援機関です。
本日は、連載最終回として、これらの外部パートナーを単なる「支援者」から、あなたのビジョンに魂を燃やす「共創者」へと変える実務と巻き込み方を解説します。
1.外部パートナーの再定義 ― 「業者」から「戦略的パートナー」へ
①多くの経営者が陥る「発注者マインド」の罠
「銀行には融資を依頼する」 「支援機関には申請書の作成を依頼する」
このような発想で外部パートナーと接している経営者は、決して少なくありません。
しかし、これは根本的に間違っています。
この発想では、彼らは「サービスを提供する業者」であり、あなたは「対価を払う発注者」です。そこには、リスクの共有も、ビジョンの共有も、感情の共有もありません。
中小企業成長加速化補助金の審査員は、このような「名ばかりの支援体制」を、即座に見抜きます。そして、その企業は不採択となります。
②「戦略的パートナーシップ」とは何か
では、審査員が評価する「強固な実施体制」とは、どのようなものか。それは、以下の3要素が揃った関係です。
1. リスクの共有
金融機関は、単に融資するだけでなく、事業の成否に自らの評価がかかっていることを認識している。認定支援機関は、採択後も5年間、事業の進捗を共にモニタリングする覚悟がある。
2. ビジョンの共有
あなたの「100億円企業になる」というビジョンが、外部パートナーとっても、「実現したい未来」になっている。単なる「クライアントの希望」ではなく、「共通の目標」になっている。
3. 実利の共有
あなたが100億円企業になることで、金融機関には優良貸出先が生まれ、認定支援機関には最高の成功事例が生まれ、地域経済全体が活性化する。このWin-Winの構造が、明確になっている。
この3要素が揃って初めて、審査員は「この実施体制なら、困難を乗り越えて100億円に到達できる」と確信するのです。
③「受発注の関係」と「戦略的パートナーシップ」の決定的な違い
両者の違いは明確です。
1)受発注の関係: 単発の業務委託、作業時間×単価の報酬、必要最小限の情報共有、意思決定への関与なし、リスク負担ゼロ
2)戦略的パートナーシップ: 長期的な協力関係(5年以上)、成功報酬+継続支援、財務・戦略すべてオープン、重要事項は事前相談、リスクの一部共有、月次または四半期ごとの定例会議、企業の100億円達成が共通目標
審査員が様式1の「実施体制」を見た時、どちらの関係性かは内容から一目瞭然です。
2.金融機関の「コミットメント」を最大化する財務対話
①なぜ「金融機関による確認書」が重要なのか
中小企業成長加速化補助金では、金融機関が発行する「確認書」(様式4)の提出は任意です。しかし、第1回公募の採択企業の大部分が、この確認書を提出していました。
つまり、確認書の有無が、採択の決定的な差を生むのです。
では、なぜ確認書がそれほど重要なのか。
審査員の視点で考えてみてください。あなたが、5億円もの補助金を交付するかどうかを判断する立場だとしたら、何を最も心配しますか。
答えは、「本当に実行できるのか」「資金繰りは大丈夫か」です。
そして、この不安を払拭できるのが、金融機関の確認書なのです。
確認書は、金融機関が「事業計画書を確認し、必要に応じて金融支援などについても協議していくことを約束します。」というドキュメントです。もちろん、融資の審査は、別途個々の財務状況や与信によるので、必ずしも事業者の希望通りの結果になることを約束するものではありませんが、これがあることで、審査員の不安は軽減されます。
②金融機関に確認書を出してもらうための「3つの条件」
しかし、金融機関は簡単には確認書を出しません。なぜなら、確認書を出すということは、その企業の事業計画に「一定の協議の約束」を与えることだからです。
では、どうすれば金融機関に確認書を出してもらえるのか。
条件1: 数値に裏打ちされた計画を提示する
事業計画書のDCF法、工程管理表などを金融機関に提示してください。彼らが欲しいのは、数値で説明できる確信です。
【用意すべき資料】
・投資採算性分析(IRR、NPV、回収期間)
・5年間の売上・利益・CF予測
・借入返済計画と金利負担シミュレーション
・補助事業24ヶ月の詳細工程表 ・リスク要因と対策一覧
そして、例えば、こう言ってください。
「この投資はIRR15%、回収期間6年です。この工程24ヶ月で確実に立ち上がります。御行にはこの投資を支える資金調達パートナーとして、共に成功させていただきたい」
この一言が、金融機関の姿勢を変えます。
条件2: 金融機関にとってのメリットを明示する
あなたの100億円達成が、金融機関にもたらすもの:
・長期的な優良貸出先の確保(100億円企業は大口顧客) ・地域でのプレゼンス向上(「あの企業を支えている銀行」) ・他の中小企業への波及(成功事例が新規融資を生む)
「当社が100億円企業になれば、御行にとっても地域における最重要顧客になります。この投資は、御行にとっても戦略的投資です」
条件3: 定例報告会の設定を提案する
「採択後、毎月(または四半期ごとに)、事業進捗を報告します。御行からの助言をいただく機会でもあります」
定例報告が、信頼を生み、困難な局面での金融機関の支援を引き出す武器になります。
③事業計画書の金融機関との対話で使える「フレーズ例」
実際の対話で使えるフレーズをいくつか紹介します。(もちろん、実際の対話の際には、話の流れに混ぜたり、アレンジしたりしてください。)
計画の説得力を高めるフレーズ: 「この投資は、感覚論ではありません。DCF法で計算した結果、IRRは15%、NPVは3.5億円です」
リスク管理を示すフレーズ: 「想定されるリスクは、すべて洗い出しました。そして、それぞれに対策を用意しています」
Win-Winを提案するフレーズ: 「当社の成長は、御行にとっても利益です。この投資を、共に成功させましょう」
透明性を約束するフレーズ: 「毎月、財務状況と事業進捗を報告します。問題が起きた時も、真っ先に御行に相談します」
覚悟を示すフレーズ: 「この投資に、私の人生を賭けています。だからこそ、御行の力が必要なのです」
これらのフレーズを、あなたの言葉に置き換えて使ってください。
④よくある失敗例1: 金融機関を「審査が終わってから」動かそうとする
金融機関にとって、いきなり「〇億円貸してください、今すぐ金融機関による確認書を出してください」と言われても、事業計画を精査する時間がありません。そして、精査していない案件に確認書は出せません。
申請書作成の3~6か月前から金融機関との対話を開始することです。
具体的には、以下のようなスケジュールです。
・3~6ヶ月前: 投資構想を金融機関に説明し、意見を聞く
・2ヶ月前: 投資計画の数値を固め、金融機関に再度説明
・1ヶ月前: 申請書のドラフトを金融機関に見せ、確認書発行を正式依頼
・申請時: 確認書を添付して申請
この段階的なアプローチが、金融機関の信頼を得る鍵です。
3.認定支援機関を「経営のブースター」として活用する
①「事業計画書作成の支援者」で終わらせてはいけない
認定支援機関の多くは、中小企業診断士、税理士、商工会議所などです。彼らは、中小企業支援や補助金関係のプロフェッショナルです。
しかし、多くの経営者は彼らを「事業計画書をサポートしてくれる人」としか見ていません。これは、莫大な機会損失です。
なぜなら、優秀な認定支援機関は、あなたの事業を5年、10年という長期で変革する、パートナーになり得るからです。
②認定支援機関に求めるべき「3つの役割」
役割1: 投資計画の客観的検証
あなたが作った投資計画は、本当に実現可能ですか。売上予測は楽観的すぎませんか。
認定支援機関には、こうした「耳の痛い指摘」をしてもらってください。彼らは、何百という企業を見てきたプロフェッショナルです。その視点は、あなたの計画を磨き上げる砥石になります。
具体的には、以下のような検証を依頼してください。
・売上予測の妥当性(市場規模との整合性、競合分析)
・投資額の妥当性(他社事例との比較、設備の償却計算)
・人員計画の妥当性(業界の労働生産性との比較)
・財務計画の妥当性(借入返済と利益のバランス)
そして、指摘された弱点は、すべて改善してください。この作業を経た計画は、審査員の厳しい目にも耐えうる強度を持ちます。
役割2: 採択後5年間のモニタリング
中小企業成長加速化補助金は、採択後5年間、事業化状況と賃上げ状況を報告する義務があります。この5年間を、認定支援機関と共に歩んでください。
具体的には、以下のような定例会議を設定することを提案してください。
「採択後、四半期ごとに、事業進捗と財務状況のレビュー会議を開催させてください。目標との乖離が生じた時、軌道修正の助言をいただきたいのです」
この提案に認定支援機関が応じてくれたら、それは、あなたの「戦略的パートナー」になる意思があるということです。
役割3: EBPM(証拠に基づく政策立案)への協力
中小企業成長加速化補助金は、国の政策評価の対象です。つまり、あなたの企業の成功事例が、次の政策立案に活用されます。
認定支援機関には、このEBPM(Evidence-Based Policy Making)への協力を依頼してください。具体的には、以下のような情報の記録と分析です。
・投資前後の生産性の変化(数値化) ・賃上げが従業員の定着率に与えた影響 ・地域経済への波及効果(取引先への影響) ・成功要因と失敗要因の分析
こうしたデータが蓄積されることで、あなたの企業は「100億円企業への成功モデル」として、国の事例集に掲載される可能性が高まります。
そして、それは認定支援機関にとっても、最高の実績になるのです。
③認定支援機関にとってのメリットを明示する
認定支援機関にとってのメリットを率直に伝えてください。
「当社の100億円達成を、先生の最高実績にしてください。そのために、5年間、共に歩んでいただけませんか」
・最高の成功事例の獲得 → 新規顧客獲得に直結 ・長期的な顧問契約 → 継続的な収入 ・専門性の向上 → 伴走経験による価値向上
この言葉が、認定支援機関の姿勢を変えます。
④よくある失敗例2: 認定支援機関に「丸投げ」する
ある企業は認定支援機関に申請書作成を依頼し、こう言いました。
「すべてお任せします。採択されるように、良い感じで書いてください」
この企業は、不採択となりました。
なぜか。審査員が見抜くのは、「経営者自身の言葉」か「誰かが代筆した言葉」かです。丸投げされた申請書は、どれほど文章が立派でも、経営者の熱意が伝わりません。
また、公募要領でも事業計画書はあくまで事業者が主体となって、他者に丸投げしてはいけないと規定されています。
正しいアプローチは、経営者自身が投資計画の核心を語り、認定支援機関がそれを洗練させるという協働作業です。
具体的には、以下のようなプロセスです。
- 経営者が投資構想を箇条書きで書く(5~10ページ)
- 認定支援機関と対話しながら、構想を深める
- 認定支援機関の指導の下、一緒にレビュー・修正を重ねていく
- この往復を3~5回繰り返し、完成させる
この協働プロセスを経た申請書は、経営者の魂が宿り、審査員の心を動かします。
⑤審査員が「この事業計画書は本物だ」と判断する3つのポイント
1)ポイント1: 計画の「粗」を潰せているか
優秀な支援機関が関わった申請書は、数値の整合性が完璧です。売上予測と人員計画の矛盾、投資額と減価償却との齟齬、こうした「粗」がありません。逆に、質の低い支援機関が関わった申請書は、基本的な計算ミスや論理矛盾が散見されます。
2)ポイント2: 「他社の真似」ではなく「この企業固有の戦略」が描けているか
補助金の事業計画書には、「テンプレート臭」があります。どの企業も同じような表現、同じような構成。これは、支援機関が過去の成功事例を使い回している証拠です。
優秀な支援機関は、その企業固有の強み、固有の市場、固有の戦略を引き出し、オリジナルの申請書を作ります。
3)ポイント3: 採択後の「伴走」をコミットしているか
様式1の実施体制欄に、「認定支援機関は採択後も四半期ごとの進捗会議に参加し、5年間の伴走支援を行います」と明記されていると、審査員は高く評価します。
逆に、「認定支援機関: ○○事務所」とだけ書かれている場合、審査員は「申請書の作成支援だけの関係ではないのか?」と判断します。
4.取引先・地域社会との「共生ストーリー」― 地域波及効果の実体化
①審査項目「波及効果」の真意
中小企業成長加速化補助金の審査項目には、「波及効果」があります。
具体的には、以下のような効果です。
・域内仕入の拡大(地域の取引先への発注増加)
・サプライチェーンを通じた波及効果
・地域の雇用創出
・地域経済の活性化
しかし、多くの申請書では、この「波及効果」が抽象的です。
「当社が成長すれば、地域経済も活性化します」
これでは、審査員の心は動きません。
審査員が見たいのは、具体的なエビデンスです。
つまり、「誰にどんな効果があるのか」が、固有名詞と数値で示されていることです。
②取引先との「協力宣言」を取り付ける
あなたの企業が100億円企業になれば、取引先への発注も増加します。この増加分を、具体的に示してください。
例えば、以下のような記述です。
「当社の補助事業が成功すれば、主要取引先である株式会社○○(金属部品加工、従業員30名)への年間発注額は、現行の3,000万円から6,000万円へ倍増します。同社社長の了承を得て、この協力関係を補助事業に組み込んでいます」
この記述の何が優れているか。
・取引先の固有名詞がある
・発注額の増加が具体的な数値で示されている
・取引先社長の了承を得ているという事実がある
つまり、これは単なる「期待」ではなく、実体のある協力体制なのです。そして、審査員はこうした具体性を高く評価します。もちろん、実名で出せない事業者も多くあるとは思いますが、その場合でも、名称を付せながらでも記載しておくとよいでしょう。
③地域雇用への貢献を数値化する
あなたの企業が100億円企業になれば、従業員数も増えます。この増加分を、地域雇用への貢献として示してください。
例えば、以下のような記述です。
「当社は、補助事業期間24ヶ月で従業員を現行の80名から120名へ増員します。新規採用40名のうち、30名は地元○○市からの採用を計画しています。○○市の製造業における2025年の有効求人倍率は0.8倍であり、当社の採用は地域の雇用吸収に直接貢献します」
この記述の優れている点は、以下です。
・増員数が具体的(40名)
・地元採用の比率が具体的(75%)
・地域の有効求人倍率という客観データがある
これにより、「地域雇用への貢献」が、実感を持って審査員に伝わります。
ちなみに、これも他の補助金でも共通しますが、雇用・賃上げ効果では、パートよりももちろん、正社員の雇用が増加した方が効果が大きく、評価は高くなります。
パートばかり増えるリスクは、①正社員よりも賃上げ効果が限られることと、②新事業で増加する雇用が新たな高い付加価値を生む事業ではないのではないかと見られる恐れがある、ということです。より正社員の雇用が望まれるのは言うまでもありません。
④地域の「誇り」を作る覚悟
100億円企業が地域にあることは、その地域の「誇り」です。
ある地方都市では、1社の100億円企業が誕生したことで、若者の地元定着率が向上し、市の税収が増え、地域全体の活力が戻りました。
あなたの企業も、そうなれます。そして、その「未来の姿」を様式1に書いてください。
「当社が100億円企業になることで、○○市は『ものづくりの街』として全国に知られるようになります。若者が誇りを持って地元に残り、取引先企業も成長し、地域全体が豊かになる。これが、当社が果たすべき社会的責任です」
このような一文が、審査員の心を動かします。
⑤よくある失敗例3: 「波及効果」を自社の成長と混同する
ある企業の申請書には、こう書かれていました。
「当社の売上が50億円になれば、従業員数も150名に増え、地域経済に貢献します」
これは「波及効果」ではなく、「自社の成長」です。
波及効果とは、あなたの企業の成長が、他の企業や地域にどう影響するかです。
正しい記述は、以下のようなものです。
「当社の売上が50億円になれば、取引先A社への発注が2倍、B社への発注が1.5倍になります。これにより、A社は新規に5名、B社は3名の雇用を創出する見込みです。また、当社が地域のリーディングカンパニーになることで、若手人材の地元定着が促進され、○○市の人口減少に歯止めがかかります」
この違いを理解してください。
5.様式1「実施体制」に魂を込める書き方
①「名前を並べるだけ」の組織図を捨てる
多くの申請書の「実施体制」欄には、以下のような記述があります。
【実施体制】
・責任者: 代表取締役 ○○○○
・金融機関: ○○銀行 △△支店
・認定支援機関: 株式会社□□コンサルティング
これでは、審査員の心は動きません。審査員が知りたいのは「誰がいるか」ではなく、「誰が、何を担当し、どう連携するのか」です。
②審査員の心を動かす「実施体制」の記述例
以下のような記述を目指してください。(もちろん、様式の記入箇所のサイズなどに
応じて、内容も職務や実態に応じて調整してください。)
【実施体制】
本補助事業の成功は、社内の実行力と外部パートナーの専門性の融合・協力を得ながら実現します。以下の体制で、確実に100億円企業への道を歩みます。
1. 社内実施体制
・プロジェクト責任者: 代表取締役 ○○○○
補助事業全体の意思決定と、ステークホルダーとの調整を担当。月次で進捗会議を主催し、工程の遅延リスクを早期発見・対処します。
・事業推進リーダー: 取締役 製造部長 △△△△
新設備の導入と、生産プロセスの再構築を担当。設備メーカーとの折衝、従業員の技能研修、品質管理体制の構築を統括します。
・財務管理責任者: 経理部長 □□□□
補助金の適正な執行と、資金繰りの管理を担当。月次で金融機関に財務状況を報告し、透明性を確保します。
2. 金融機関(○○銀行 △△支店)
・役割: 設備資金5億円の融資実行と、財務面からの助言 ・担当者: 融資課長 ××××氏 ・連携方法: 月次で財務状況を報告し、資金繰りの課題を共有。四半期ごとに、事業進捗の報告会を開催。
○○銀行からは、「金融機関による確認書」(様式4)をいただいており、本補助事業への強いコミットメントを得ています。同行は当社の成長を「地域経済活性化の重要案件」と位置付け、長期的な支援体制を約束いただいています。
3. 認定支援機関(株式会社□□コンサルティング)
・役割: 投資計画の客観的検証、採択後5年間の事業化モニタリング
・担当者: 代表取締役 中小企業診断士 ◇◇◇◇氏
・連携方法: 四半期ごとに、売上・利益・賃上げ状況をレビュー。目標との乖離が生じた際は、軌道修正の助言をいただきます。
◇◇氏は、これまで〇〇〇社以上の中小企業の経営改善を支援した実績があり、当社の100億円達成を「自身の最高実績にする」と宣言いただいています。採択後も、5年間の伴走支援契約を締結する予定です。
4. 主要取引先(株式会社◎◎)
・役割: 補助事業で導入する新設備に対応した部品供給体制の構築
・連携方法: 月次で生産計画を共有し、部品調達のリードタイムを短縮
当社の売上拡大に伴い、◎◎社への年間発注額も3,000万円から6,000万円へ倍増する見込みです。同社社長からは、この協力体制への同意を書面でいただいています。
5. 定例会議の設計
上記の関係者が一堂に会する「補助事業推進会議」を、四半期ごとに開催します。議題は、進捗報告、課題共有、対策協議です。この会議により、問題の早期発見と、迅速な対応を実現します。
議事録は全参加者に共有し、次回会議で前回のアクションプランの進捗を確認します。この透明性の高い運営が、全員のコミットメントを維持します。
この記述の何が優れているか。
・各者の役割が具体的
・連携方法が明確(月次報告、四半期会議など)
・金融機関の確認書取得という事実
・認定支援機関のコミットメント(「最高実績にする」)
・取引先との協力の実体(書面での同意)
・定例会議という仕組み
・議事録共有という透明性担保
つまり、これは単なる「名簿」ではなく、動いている組織なのです。
6.採択後の「定例モニタリング会議」設計案
補助事業は24ヶ月の長期です。想定外の事態(設備納期の遅延、市場変化、人員問題)に直面した時、定例会議の有無が成否を分けます。
①定例モニタリング会議の設計例
【補助事業推進会議】
・頻度: 四半期ごと(年4回)
・参加者: 社長、事業推進リーダー、財務責任者、金融機関、認定支援機関
・時間: 2時間
・議題: ①進捗報告 ②財務状況 ③課題共有 ④対策協議 ⑤次四半期目標
・資料: 工程表、財務諸表、リスク管理表、アクションプラン
24ヶ月で8回開催し、議事録を全員で共有。この積み重ねが、事業の確実な遂行を保証します。
②審査現場の声: 「定例会議」の記載がある企業は高評価
様式1に、「定例会議の設計」が明記されている企業の方が、実施体制の項目に関してはより望ましいでしょう。なぜなら、定例会議の存在は、以下を示すからです。
・経営者が、外部パートナーとの継続的な対話を重視している ・問題が起きた時の対処体制が整っている ・情報の透明性が担保されている
逆に定例会議の記載がない企業は、名ばかりの支援体制と判断される恐れがあります。
③外部パートナー連携の「実務チェックリスト」
最後に、外部パートナーとの連携を実務的に進めるためのチェックリストです。
もちろん最初からすべては難しくとも、じっくり期間をかけて準備していきましょう。
【金融機関連携チェックリスト】
□ 投資構想の段階(少なくとも申請3ヶ月前・6か月前推奨)で、金融機関に相談している □ DCF法による投資採算性の計算結果を提示している
□ 5年間の売上・利益・CFの予測を作成している
□ 借入返済計画と金利負担のシミュレーションを作成している
□ 金融機関にとってのメリットを明示している
□ 採択後の定例報告会の設定を提案している
□ 金融機関から確認書(様式4)の発行を得ている
□ 様式1に金融機関の役割と連携方法を具体的に記載している
【認定支援機関連携チェックリスト】
□ 投資計画の客観的検証を依頼している
□ 売上予測・投資額・人員計画の妥当性を検証してもらっている
□ 採択後5年間のモニタリング契約を提案している
□ 四半期ごとのレビュー会議の設定を提案している
□ EBPM(政策評価)への協力を依頼している
□ 認定支援機関にとってのメリット(成功事例化)を明示している
□ 事業計画書は「協働作業」として進めている(丸投げしていない)
□ 様式1に認定支援機関の役割と連携方法を具体的に記載している
【取引先・地域連携チェックリスト】
□ 主要取引先に補助事業の説明をしている
□ 発注増加の見込みを具体的な数値で示している
□ 取引先社長から協力への同意を書面で得ている
□ 新規採用計画を具体的な数値で示している
□ 地元採用の比率を明示している
□ 地域の有効求人倍率などの客観データを引用している
□ 地域経済への波及効果を「自社の成長」と混同せず記載している
□ 様式1に取引先・地域との協力関係を具体的に記載している
このチェックリストを使って、あなたの外部パートナー連携を点検してください。
結論 ― 「共創者」と共に、100億円の壁を突破する
最も重要なことは、この道を一人で歩いてはいけないということです。
金融機関、認定支援機関、取引先、地域社会、・・・。
これら関係者を「業者」ではなく、あなたのビジョンに魂を燃やす、「共創者」として迎え入れてください。
彼らと共にリスクを取り、ビジョンを共有し、実利を分かち合う。この関係性こそが、審査員が最も評価する「強固な実施体制」です。
明日からの具体的行動を提案します。
- メインバンクに「100億円企業を目指す投資」の相談アポイントを取る
- 認定支援機関に「5年間の伴走支援」を前提とした関係構築を打診する
- 主要取引先に「共に成長する協力体制」への賛同を得る
- 本記事の「キラーフレーズ」と「チェックリスト」を実際に使う
この4つを、今週中に実行してください。
彼らが「それは面白い」と目を輝かせたら、あなたは「共創者」を得たのです。
共に、100億円の壁を突破しましょう。
◆伴走型支援で、100億円への挑戦を共に実現します
中小企業成長加速化補助金においては、単なる事業計画書や投資計画の作成ではなく、今後の本格的な企業経営の確立と、多くの関係者を巻込んだ、事業活動の拡大及び波及効果が求められます。
・投資計画の客観的検証と、代替案の提示
・金融機関との対話支援と、確認書取得のサポート
・様式1の「実施体制」欄への具体的な記述アドバイス
・採択後5年間の事業化モニタリングと軌道修正支援
・定例会議のファシリテーションと議事録作成
・成長拡大に向けての事業実行の伴走型支援
もしあなたが、「本気で100億円を目指したい」「強力な外部パートナーが欲しい」と、お考えなら、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの「共創者」として、100億円達成への道を共に歩みます。
中小企業成長加速化補助金についてご相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせフォームよりお申込みください。
※対象:今回は補助金の性質上、直近期の売上高が10億円以上は必須条件とさせて頂きますので、あらかじめご了承願います。