【実務編】PDCAを回せないのは、あなたの能力ではなく「OS」のバグだ【6日目(全7回)】

0.はじめに
昨日までのこのシリーズ「現状維持打破入門」では公的ツールを活用した土俵の再設計( や、投資設計のA4シート1枚まとめをお届けしました。note版では少し肩の力を抜いて「リズム」の大切さを共有しましたが、今日はブログ版として、そのリズムをPDCAの観点から実務的に掘り下げていきます。PDCAがうまく回らない時は、皆さんの能力の問題ではなく、経営OSのちょっとした「バグ」が原因かもしれません。優しく一緒に、そのバグを修正する方法を、考えていきましょう。こうした小さな調整が、会社全体の流れをスムーズに変えてくれるはずです。
※この記事では、シリーズのこれまでの内容を踏まえて進めますが、初めての方もPDCAの基本から優しくお伝えしますので、ご安心ください。

このシリーズを通じて、私たちは現状維持の壁を打破するするための武器を様々揃えてきました。ローカルベンチマークで自社の健康診断をし、経営デザインシートで未来を描き、経営革新計画で勝てる土俵を定義し、投資設計で勇気を確信に変える。これらを一本にまとめました。しかし、これらのツールが本当に活きるためには、日々のPDCAサイクルが欠かせません。PDCAを回せないのは、決して皆さんの努力不足ではなく、OSの設定に小さな隙間があるだけです。今日は、そんなバグを丁寧に直す手順をお伝えします。皆さんの会社がより安心して前進できるように、一緒に進めていきましょう。こうしたプロセスを一つずつ確認していくことで、皆さんの日常が、少しずつ変わっていくのを実感できると思います。

1.「忙しい」は経営OSが未インストールである証拠だ
まずは、皆さんがよく感じる、「忙しい」という気持ちからお話しします。「忙しい」は、実は経営OSがまだしっかりインストールされていない証拠かもしれません。現場のトラブル対応に追われて、せっかくの計画が後回しになる――これは、多くの真面目な経営者さんが直面する現実です。でも、優しく振り返ってみてください。この忙しさの多くは、上流(時流とアクセス)の不備を放置した結果から来ていることが多いのです。こうした根本原因を理解することで、少しずつ解決の糸口が見えてきます。

例えば、2日目4日目で学んだように、時流の変化(エネルギー高騰や人手不足)やアクセスの弱み(販路の狭さや資金の不安定さ)を事前に解決していなかったら毎日が火消しのような対応になってしまいます。私の支援経験で、こうした会社はPDCAを回す余裕がなく、結局「気合で乗り切る」しかなくなります。一方、OSをインストールした会社は、時流・アクセスを70%の基盤として固めているので、事前に防げます。結果、PDCAが自然に回り始めます。このような違いを踏まえて、皆さんの会社に合ったインストール方法を考えていきましょう。

ここで大切なのは、「忙しい」を言い訳にせず、OSのバグとして捉えること。皆さんが忙しいのは、能力のせいではなく、インストールの仕方に工夫の余地があるだけです。まずはカレンダーに小さな時間を予約するところから始めましょう。そうすれば、PDCAがスムーズに動き出すはずです。こうした小さな一歩が、長期的に見て大きな変化を生むことを、私の経験からも実感しています。

2.予実管理を「犯人探し」にするな
次に、PDCAの核心である予実管理についてです。予実管理とは、計画(予)と実際(実)のズレをチェックすることですが、これを「犯人探し」の時間にしてしまうと、OS全体がバグってしまいます。過去のOSシリーズでは何度もお伝えしたように、数字のズレは「ダメ出し」の材料ではなく、戦略の「設定ミス」を修正するためのヒントです。
優しく言うと、定性レビュー(数字以外の質的な振り返り)の重要性を教えてくれます。
こうした視点を持つことで、チーム全体の雰囲気がよりポジティブになるでしょう。

例えば、売上目標が未達だった時、「誰のせいか」と探すのではなく、「5ステージ診断の時流部分で、市場変化を見逃していなかったか?」「アクセスの販路が狭かったのが原因か?」と振り返ってみてください。こうした定性レビューを入れる会社は、PDCAが「学びのサイクル」になり、チームのモチベーションが上がります。一方、犯人探しになってしまう会社は社員が守りに入り、OSが機能しなくなります。このような落とし穴を避けるために、皆さんの会社に合ったレビュー方法を一緒に考えていきましょう。

ここで、実務的なポイントです。予実管理を優しく進めるために、月1回の「予実×定性レビュー」(1時間)を習慣にしましょう。これは、数字(予実)と質(定性)を合わせて振り返る時間です。

· 数字の確認: 「投資回収率が計画通りか?」(5日目のA4シート参照)
· 定性の振り返り: 「今、自分たちは5ステージのどこを戦っているか?」「時流の変化に適応できているか?」

こうしたアプローチで予実管理が「犯人探し」ではなく、OSのバグ修正になるのです。皆さんのチームが安心して議論できるように、まずは社長が優しい目で数字を見る習慣から始めてみてください。この習慣が根付くことで、会社全体の成長が加速します。

3.OSを「標準装備」にする3ステップ
では、PDCAを回すためのOSを、皆さんの会社に標準装備にする、3ステップをお伝えします。これは忙しい皆さんでも無理なく取り入れられるよう、シンプルにしました。私の経験から、こうしたステップを踏むだけで、OSのバグが修正され、PDCAが自然に回り始めます。皆さんの状況に合わせて、柔らかく調整しながら進めていきましょう。

①ステップ1:振り返り時間を「固定」する
まずは、カレンダーに時間を予約しましょう。「忙しいから」と思わずに、週1回の「OS点検」(15分)から始めます。これは、今週の行動を振り返る時間です。

· 「経営革新計画で定義した勝てる土俵に向かっていたか?」
· 「アクセスの強みを活かせたか?」

こうした固定の時間が、PDCAの基盤になります。最初は短くても、続けることでOSが標準装備されます。このステップを大切にすることで、日常の流れが少しずつ変わっていくのを感じられるでしょう。

②ステップ2:A4シートを机に貼る
作成したA4シート(目的、投資額、資金手当、回収試算、撤退基準)を、常に目に入る場所に置いてください。これは、PDCAの羅針盤です。忙しい時こそ、パラパラ見て「投資の優先順位は正しいか?」を確認します。補助金や新規案件の雑音が色々入ってきたら、このシートに通してフィルターをかけましょう。こうすることでバグ(優先順位のズレ)が、即座に修正されます。この簡単な習慣が、皆さんの判断をより確かなものに変えてくれます。

③ステップ3:補助金や新規案件という「雑音」をOSのフィルターに通す
魅力的な話が来たら、すぐに飛びつかず、OSのフィルターを通してください。例えば、補助金の誘いが来たら、「これは時流・アクセスの70%で適切な土俵に合っているか?」などとチェック。合わなければ、優しく断る勇気を持ちましょう。こうしたステップで、PDCAが一過性の熱狂ではなく、持続するサイクルになります。このフィルターを活用することで、皆さんの会社がより安定した成長を遂げられるはずです。

これらのステップは、皆さんのペースで進められるよう、柔らかく設計しています。
まずは、1つから試してみてください。こうした小さな積み重ねが、大きな変化を生むのです。

4. 「できる範囲」からでよいがサボらない
最後に、少し優しくお伝えしたいことがあります。「できる範囲からで全然よい」とnote版でお話ししましたが、それを「何もしなくていい」と勘違いしないでください。経営は、優しさだけでは回りません。皆さんが「忙しいから」と小さな行動をサボってしまうと、OSのバグが積もり、会社全体が停滞してしまいます。私の支援経験で、こうした小さなサボりが、大きな損失を生むケースを何度も見てきました。このようなリスクを避けるためにも、皆さんの「できる範囲」を少しずつ広げていきましょう。

例えば、週1回の15分点検を「今週はいいか」と飛ばすと投資の優先順位がずれ、撤退基準を見逃しやすくなります。優しく言うと、「できる範囲」を広げる努力が、皆さんの会社を守るのです。1つの数字からでもいいので、今日から始めてみてください。それが、PDCAを回す第一歩になります。この習慣が、皆さんの日常をより充実したものに変えてくれるでしょう。

5.結び:OSのバグを修正し、会社を前進させよう
今日は、PDCAが回らない原因をOSのバグとして捉え、会議体やKPIの仕組みを優しくお伝えしました。皆さんの会社が、忙しさの中でも安心して回るように、このリズムを試してみてください。明日の最終日では、シリーズを締めくくり、自走するチームへのエールを送ります。このシリーズを通じて学んだことを、皆さんの会社に活かしていただければ幸いです。

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投稿者: 木村 壮太郎

東京と福岡の二カ所で認定支援機関として、中小企業経営の意思決定と実行・成長を伴走型でサポートしています。 目先の打ち手に囚われずに、経営の本質から診断し、解決策の実行や新事業、経営革新をサポートします。巷で溢れる補助金やDX、AIなどはあくまで手段。事業の成長を後押しする中小企業診断士です。